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日々の裏日記です。腐れ記事多めなのでご注意を。OPのゾロ愛。他、すまあら溺愛。色々と裏ネタを話していきます。
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高校生ZNなおはなし。


+*+*+*


『My Funny Valentine』



「ねえ、今日何の日か知ってる?」
「あー。バレンタイン?」
「チョコ、貰った?」
「貰った。」
「…あ、そう。あんた意外とモテるもんね。告白されちゃったりしたんだ?」
「あー…、なんか誰だかしらねーやつから好きだとか言われたな。まぁ毎年よくあることだけど断ってる。」
「なにそれ。なんかむかつく。」


本当は、ゾロが毎年毎年女の子からたくさんチョコを貰って、
何人かに告白されることなんて知ってる。
だって、いつも見ていたから。

私はそのたびに胸が締め付けられた。

ゾロが前に付き合っていた子から貰ったチョコのことも知ってる。
彼女は私の一番仲の良い友達で、ビビという女の子らしい可愛い子だった。
ナミさん仲いいから好みを知ってるでしょう?
と必死になってゾロへのチョコをどうしようかと相談してくる健気さに、
私も二人を応援してあげたくなってそっと思いを閉じ込めた。

去年のはじめに突然彼女が転校することになり、
ゾロは「ふられた」と言って、それなのにあっけらかんと私に終を告げた。

「転校するんだ。仕方ねぇよ。まぁ、好きだったけどさ、引き止めるわけにも行かねーし。」

私はゾロに、そんな言い方は酷いなどと言いながら、
本当はゾロがほんの少し寂しそうに笑ったのを見て、胸がチクリと傷んだ。

後でビビから
「彼とは今はいい友だちになれたの。ナミさん、彼をよろしくね。」
と言い、くすりと笑った彼女の心の強さに涙が出た。


あれから約1年。
ゾロは誰とも付き合うこと無く、放課後は変わらず同じ方向の私と下校する。
お互い部活が遅くまであっても、なんとなく待っていたり、待っていてくれたりするから、
時々変な勘違いをしそうになるのだ。


「お前は?」

ゾロの一言で一気に現実に引き戻される。

「え?」
「最近友チョコだとか、逆チョコとか言うのが流行ってんだろ?」
「あぁ、友だちと交換したわ。あとロビン先生にももらっちゃった♪」
「へぇー」
「でも、なんで?私なんかが貰うのが気になるの? あ、ひょっとして、誰かに渡したとか思った?」

軽く冗談のつもりで言ってみて、本当に渡したい相手は真横にいるのだけど、と心のなかでつぶやく。
かばんの中にはゾロのためのチョコが入っているのに、今日一日今まで渡せずにいた。

「…なあ。」
「うん?」
「お前さ、チョコ欲しいか?」
「…え? 誰から?」
「俺から。」

私の質問には答えず、ふいに切り替えされてどきりとした所に、更に爆弾を落とされたような気持ちになった。
私が渡せないでいるのに、なんでこいつが私にチョコくれようとするのよ。

「ゾロからって、どういうことよ。」
「さっき言ったろ、逆チョコとか言うヤツがって。」
「…うそ…」

ゾロはかばんからシンプルにラッピングされた小さな箱を取り出し、
思わず立ち止まった私に振り返りながらその小さな箱を差し出す。

「ぐる眉に教わってさ、作ったんだ。不味いかもしんねーけど。」
「…うそよ…」
「嘘じゃねーよ、俺が作ったんだって。あいつに訊いてみろ。」

ゾロがつくたことに驚いてるんじゃない。
ゾロが私に渡そうとしている事実にびっくりし過ぎて、言葉が出てこない。
胸は苦しいし、ドキドキ煩いし、なんでか涙が出そうになってテンパってしまってうまく話せない。

「そんな…」
「これさ、俺の気持ちだから。」
「…なんでっ…」
「お前が好きだ。」
「…っ!!!」

頬が熱くなって、思わず涙が零れた。
私は耐えられなくなってその場にしゃがみ込んでしまった。

「ごめん、そんな嫌だったか?」
「ちがう。」

うつむいたまま大きく頭を振る。
嬉しくて、驚いて、あまりの感情に頭が追いつかない。

「その、嫌だったらお前んちの犬、なんだっけ、チョッパーにやってくれよ。」
「…あげるわけ、ないじゃないっ。」

うつむいていた顔を上げて、泣きながら必死に言うと、ゾロは困った顔をして笑った。

「悪かった。泣かすつもりじゃなかったんだ。ただ…」
「ちがうの、うれしいの。嫌だから、泣いてるんじゃないの。」

ゾロが次に発しそうな言葉が聞きたくなくって、話す言葉を遮るように強く言う。

「本当はね、私は…」
「ん?」

ゾロは私の前にしゃがみ込んで、涙で濡れた私の頬をそっと指で拭ってくれた。
あまりに優しいその仕草に胸がきゅっとなる。

「私のほうが、ずっと、ゾロを好きだったんだから。 本当は、私が渡そうと思ってたのに。なんでゾロが先に…」
「まじかよ…」
「嘘じゃないわよ。ずーーーっと。あんたがビビと付き合う前から好きだった。」
「……」
「だから、あんたが急に、私にチョコなんか渡すから、びっくりし…っ」

言い終わる前にゆっくりと引っ張られて視界が暗くなる。
頬と肩に触れた温もりで、抱きしめられたことに気づいた。

「そんな大事なこと、なんでずっと言わねぇんだよ。」
「だって…、私のことなんて、きっとただの友達だって思ってるだろうと、思ってたし、」
「ただの友達と、待ってまで一緒に帰ったりしねーよ。」
「だって、ゾロはモテるし、」
「周りが勝手に騒ぐだけだろ?」
「だって…っ」
「もういいよ。もう、お前の気持ちはよく伝わったから。」

優しい声が耳元から響いて、また涙で視界が滲んだ。
ゾロはそっと体を離して、「泣くなよ」ともう一度私の涙を拭う。
優しい表情と声に導かれるように自然と眼を閉じて、ゾロの唇に自分のそれを重ねた。

そっと触れるだけの、初めてのキス。

唇を離して、恐る恐るゾロの顔を見れば、少し驚いた顔がそこにあった。
でもすぐに楽しそうに口元が弧を描く。

「あとで、お前のチョコもくれよ?」

笑って言うと、今度はゾロから唇を塞がれた。
熱くて、チョコなんて簡単に溶けてしまいそうなキスだった。




+*+*+*


一週間過ぎた今更バレンタインネタ。。
つまらない話ですみません。
でも、逆チョコとか、書きたかったんですよね。
ってわけで、逃げる。
(・∀・`●)ツ =3 ばーい


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プロフィール
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みどり
年齢:
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女性
誕生日:
1986/10/10
趣味:
音楽を聴く、マンガを読む、F1観戦、料理、ちょっとした絵を描いてみる、オタクなど。
自己紹介:
▼ステータス
AB型。音楽好き。へなちょこ新社会人です。

★好きな漫画★
ワンピ,ナルト,リボーン,Dグレ,フェアリー・テイル,ヤンキー君とメガネちゃん,ツバサ,メンズ校,リストランテ・パラディーゾ,DOLLS,スラムダンクなど、他大多数。
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